白血病
がん細胞によって自分の血液が作れなくなった体に、新しく、純粋な命の力を吹き込み、再び走り回れる体を取り戻すために。
琉球大学病院 造血幹細胞移植推進拠点病院
それが「さい帯血」です。
「さい帯血(さいたいけつ)」とは、お母さんと赤ちゃんをつないでいる「へその緒」や「胎盤」の中に流れている、赤ちゃん自身の血液のことです。
通常、赤ちゃんが生まれた後は役目を終えたものとしてお別れ(処分)してしまうものなのですが、実はこの血液には「血液の元となる大切な細胞」がぎゅっと詰まっています。
さい帯血にたくさん含まれている細胞(造血幹細胞)には、新しい血液を作り出す特別な力があります。これは、白血病などの重い病気で苦しんでいる患者さんの治療(※)に役立てることができるのです。
本来なら捨てられてしまうはずのものが、これから誰かの命を救う「最高の贈り物」となり、もう1つの命を未来につなぎます。
※ご自身やご家族のために保管できる「民間バンク」という選択肢もあります。詳細や注意点については、民間バンクの運営会社へお問い合わせください。
造血幹細胞移植医療体制整備事業 小児科責任者
琉球大学病院 小児科医 浜田 聡
本来は出産時に処分されてしまうさい帯血ですが、適切に保管・提供されることで、移植が必要な多くの患者さんを救うことができます。現在、主に以下のような病気の治療に役立てられています。
がん細胞によって自分の血液が作れなくなった体に、新しく、純粋な命の力を吹き込み、再び走り回れる体を取り戻すために。
止まってしまった『血液の工場』をもう一度動かし、体中に酸素と活力を届ける、最初の一滴になるために。
外の世界のわずかな菌さえも脅威となる小さな体に、外敵と闘うための『最強の盾(免疫)』を授けるために。
息子は3歳の時に白血病になりました。
診断された時には早急に造血幹細胞移植が不可欠な状態でした。骨髄バンクで奇跡的にドナーの方が見つかり、診断から5ヶ月後に骨髄移植を受けました。しかしながら移植後の後遺症に苦しみ、体調が改善することがないまま、移植後わずか数ヶ月で白血病が再発してしまいました。
再移植以外の治療法がない中、またも幸運なことに北海道の臍帯血バンクの臍帯血が息子の体に適合することがわかり、1度目の移植から8ヶ月後に2度目の移植を受けることができました。臍帯血移植後は1度目の移植後に比べて後遺症が少なく、日に日に体調が回復していき1度目の移植後より早く退院することができました。
現在息子は9歳となり、定期的な通院はあるものの日常生活に支障がない状態を保てています。
はるか遠く北海道の赤ちゃんの臍帯血が息子を救ってくれました。臍帯血を寄付してくれたお母さんには大変感謝しています。沖縄県で臍帯血を寄付できる病院は少ないと伺っていますが、実際に息子のように救われる命があることをたくさんの方に知っていただき、いつか必要とする誰かのために寄付をしてくれる方が増えてくれればと思います。
あなたが寄付するその「想い」は、年齢を問わず、病室で明日を信じて闘い続けるあらゆる世代の「生きたい」と願う命へ、届けられます。
特に沖縄地域においては、他の地域に比べてHLA型(白血球の型)の種類が多く、多くのさい帯血が必要です。ご協力の程よろしくお願いいたします。
まずは、お産を予定している病院で「さい帯血の寄付ができるか」をスタッフに聞いてみましょう。検診の際などに、先生や助産師さんに「さい帯血の寄付に興味があります」と伝えるだけでOKです。
内容をしっかり理解し、納得できたら同意書を提出します。この時、お母さんの健康状態や既往歴についてのアンケートに回答します。
いよいよ出産当日。赤ちゃんが元気に生まれた後、胎盤に残った血液を採取します。赤ちゃんやお母さんに痛みはなく、出産の進行を妨げることもないのでご安心ください。
採取された血液は専門の施設へ運ばれ、安全に使えるかどうかの検査が行われます。無事に基準をクリアすると、移植を待つ患者さんのために大切に冷凍保管されます。